看護師の退職理由から考えられる問題とは?

看護師が円満に退職するための対策は?



看護師は大きなやりがいを感じられる職業であり、看護師であることに誇りを持って働いている人も多いでしょう。

その一方で、夜勤などの不規則な勤務体系や人手不足による過重労働といった身体の負担、人間関係の悩みや責任感といった心の負担が大きい職業でもあります。


「結婚や出産を機にワークライフバランスを見直したい」「人間関係の悩みから解放されたい」など、退職を考えているという人も少なくないのではないでしょうか。

しかし、看護師の場合、退職理由や退職のタイミングによっては円満に仕事を辞めることができないケースも多々あります。


上司や同僚に快く送り出してもらい、気持ちよく新しいスタートを切るためには、どのような点に心がけるとよいのでしょうか?


看護師の退職理由、どうやって伝える?

退職するときには必ず上司に退職したい旨を伝える必要があります。

そのときに必ずといってもよいほど聞かれるのが、「退職の理由」でしょう。


看護師が退職を考える理由は人それぞれですが、おもに次の3つの理由が挙げられます。


・結婚や出産、育児などライフスタイルが変化するから
・職場の人間関係が苦痛だから
・勤務条件に不満があるから



結婚や出産、育児など生活の変化によって退職を決めたのであれば、その理由を正直に伝えてもよい気がしますが、人間関係や勤務条件が退職理由の場合は、正直に伝えるべきか迷いますね。

退職理由の上手な伝え方や注意点を確認していきましょう。

家庭の事情で辞める場合

結婚や妊娠・出産をきっかけに退職するという場合は、退職理由をそのまま伝えても構いません。

看護師は女性の割合が非常に高いため、妊娠・出産を経て育児をしながらでも家庭と仕事を両立できる環境が整っているという職場も多くあります。


しかし、このような支援があっても、並大抵の努力では看護師の仕事と家庭を両立することは難しいでしょう。

結婚や出産はおめでたいことですし、上司も理解してくれるケースが多いので、納得されやすい退職理由といえます。


ただし一旦職場を離れるものの、子供が小さいうちに再び看護師として働きたいと考えている場合は、産休や育休を活用できないかどうか検討することも大切です。

育休明けの働き口が確保されるというメリットのほかにも、産休・育休中には出産手当金や育児休業給付金が支給されるという経済的な利点もあります。


損をしないように、退職を決める前に確認しておくことをおすすめします。

人間関係が原因で辞める場合

上司からのパワハラや同僚からのいじめなど、職場の人間関係が原因で退職する場合、正直に話してしまうとトラブルの元になる恐れがあります。

本当の理由は言わず、「結婚に伴う転居のため」など、納得してもらいやすい理由を別に用意しておくのが無難でしょう。


しかし、どこの職場でも人間関係の悩みは大なり小なりあるものです。

必ずしも転職先で良好な人間関係を築くことができる訳ではないということを、心に留めておきましょう。


今の職場に複数の部署があるのであれば、退職を決める前に他の部署への異動をお願いすることも視野に入れておくとよいでしょう。

同じ病院内でも、部署が変われば人間関係も変わりますので、今自分が抱えている悩みを解消することができるかもしれません。

勤務条件が合わずに辞める場合

給与や勤務体系への不満がある場合も、上司に退職する旨を報告する際には注意が必要です。

待遇を改善することを条件に引き止められる可能性もありますし、「みんな同程度の待遇で頑張っているのに1人だけ…」と上司の心証を悪くする恐れがあります。


「勤務条件が合わない」という理由で退職を決めたとしても、他に納得してもらいやすい理由を伝えたほうが無難です。


退職時に起こりやすいトラブル、ここに注意!



看護師の業務量は非常に多い上に、ギリギリの人員で仕事を回している職場も多くあります。

上司や同僚が納得できる退職理由を伝えたとしても、様々なところに配慮しなければ思わぬトラブルになることもあります。


その職場を辞めるとはいえ、最後までトラブルを起こさず、気持ちよく退職したいものですね。

それでは、看護師が退職する際に起こりやすいトラブルの例を見ていきましょう。

希望の時期に退職できない

看護師業界は基本的に人手不足です。また、看護師業界は圧倒的に女性が多いことから、産休や育休などで一時的に人員が減ってしまうこともよくあります。

さらに、職場によっては繁忙期があることも。


このように、人手不足だったり忙しい時期に入っていたりする職場では、「人手が足りず仕事が回らなくなってしまう」「他の人に引継ぎする時間がない」などといった理由で、希望する時期に退職できない恐れがあります。

人間関係が悪くなる

退職を伝える以前の人間関係が良好でも、退職を伝えた途端に人間関係が悪くなってしまうこともあります。

雇用者側の問題ではありますが、慢性的に人手不足の職場だと、自分1人だけが退職する場合でも、他の人がカバーしなければいけなくなる仕事量が一気に増えてしまいます。


ただでさえ忙しいのに、辞める人が担当していた仕事も降ってくるとなれば、どうしても退職する人によい印象を持ち続けることは難しいでしょう。

また退職するということは、職場での今後の付き合いがなくなるという事でもあります。


他の同僚と比べて粗雑に扱われるようになってしまう恐れもあるので、ある程度覚悟しておいたほうがよいでしょう。

退職するときに人間関係の悪化を防ぐには、自分が抜けることで迷惑がかかる相手がかならずいるということを肝に銘じておくことが重要です。


また、同僚からの扱いが悪くなったと感じても、自分は誠実な態度をとり続けるように心がけましょう。


円満に退職するための対策は?



希望の時期に退職できなかったり、人間関係が悪化したりといったトラブルも起こりがちな看護師の退職。

できるだけ円満に退職するにはどうすればよいのでしょうか。自分もまわりもストレスなく、スムーズに円満退職するための対策を確認していきましょう。

転職を決意したら早めに伝える

円満退職を実現するための重要なポイントの1つは、「退職の意向を伝える日から退職予定日までの期間の長さ」です。

退職や転職を決意したら早めに上司に伝えるようにしましょう。


民法上では、退職予定日の2週間前までに「退職届(退職願)」を提出して辞意を伝えればよいとされています。

しかし、自分が退職した後の人員を確保するためには数週間から数ヶ月の期間が必要です。


退職予定日の2週間前まで退職の意思を伝えない事は、よほどのことがない限り避けるべきであり、なかなか辞めることができない場合の最終手段だと考えてください。

また、「退職予定日の1ヶ月前までに申し出ること」などと、退職の意向を伝えるタイミングについて就業規則で定められているケースもあります。


退職予定日を決めてしまう前に、職場の就業規則をきちんと確認しておく必要がありますね。

就業規則での規定の有無にかかわらず、円満退職するには退職希望日の3ヶ月前には退職の意向を伝えるようにするとよいでしょう。


人員の確保や引き継ぎのことを考え、ゆとりをもったスケジュールで退職できるように計画しておくとよいですね。

繁忙期の退職は避ける

看護師の仕事は1年中忙しいですが、病院や診療科によっては特に忙しい時期が存在する場合もあります。

このような繁忙期に退職すると、チーム全体に迷惑をかけるだけでなく、時間を十分にとることができず、引き継ぎをしっかり行えない可能性もあります。


患者さんへの迷惑にもつながりますので、特に忙しい時期の退職は避け、比較的ゆとりがある時期に退職できるよう調整しましょう。

退職理由は明確に伝える

上司や同僚に快く送り出してもらうには、退職理由をはっきりと伝えることも大切です。

退職理由をはっきり言わなかったり、ばれるような嘘をついていたりすると、よくない噂が立ってしまう恐れがあります。


また、明確な退職理由がなければ、上司に引き止めを行うスキを与えてしまいかねません。

「人間関係が悪い」「待遇が悪い」など、正直に言うと印象が悪くなるような理由で退職する場合には、快く送り出してもらえるような退職理由を、建前でもよいので用意しておきましょう。


結婚や出産といった家庭の事情や、キャリアアップなどの前向きな理由であれば、引き止めにも遭いにくいでしょう。

引き継ぎは万全に行う

職場に残る同僚に大きな迷惑をかけず、スムーズに退職するためには引き継ぎも重要です。

引き継ぎをうまく行えていないと、退職後も仕事内容について連絡が来る場合があります。


いつまでも前の職場の仕事に関わるのはできませんし、辞めた職場の同僚にその都度手間をかけさせるのも避けたいですね。

引き継ぎは口頭のみだけではなく、引き継ぎ書類やマニュアルなど、書面やデータとして残してあげると親切です。

<看護師が円満に退職するための対策は? まとめ>

  • 「人間関係が悪い」「待遇が悪い」などマイナスの印象の退職理由は言わないようにする
  • 円満退職を望むなら、家庭の事情(結婚・出産など)や前向きな退職理由(キャリアアップなど)を伝えるとよい
  • 「希望の時期に退職できない」「退職前に人間関係が悪化した」というトラブルは看護師の退職時には起こりがちなので覚悟が必要
  • 退職を決めたら、繁忙期に重ならないように配慮しつつ、退職希望日の3ヶ月前には退職の意向を伝える
  • 引き継ぎを万全に行い、職場に残る同僚や患者さんに迷惑をかけないようにする